外構や庭でのライティングは近年防犯の役目として大変注目されています。しかし、効果的に配置をすることで空間に広がりをもたらしたり、植栽の美しさを高めたり、ときには幻想的な雰囲気を醸し出します。
夜、自邸の庭に出たくなるようなライティングや窓から眺めたくなるような照明の使い方にも注目していただきたいと思います。
夜を楽しむ
ご依頼時のイメージや条件
このお施主様の場合は、水場や照明(光)を用いてリゾートホテルのようなシンプルな外構や庭を造ることをコンセプトに設計いたしました。実は、このようなキーワードからデザイン案を作るのが一番難しいのです。シンプルという言葉ですが、単に壁をすっきりとしたデザインや、機能門柱などの既製品を用いて造形的に直線的なデザインを取り入れれば良いというものではありません。
ときには立体的であったり、清潔感であったり、色のトーン、幾何学的に配置された構造物、光の構成など、これらの要素が複雑に作用し合ってシンプルなデザインというものが完成します。
そういった意味では難易度が高くデザイナー泣かせであり、しかし逆に、デザイナーの一番の腕の見せ所でもあります。
今回は夜を主役とした光の構成に重点を置いてデザインいたしました。エントランスホールのようなアプローチに立体感のある飾り壁、間接的な明かりの設置。水場の色合いにはクールなホワイトを使うことで、印象を落ち着いたものにしました。さらに水場は壁栓にし、音と動きを与えています。光と音を楽しみながら寛げる空間が完成いたしました。